この連載もピッチ上げていかなければ・・
というわけで第3回は、ドイツで2009年に生まれたオンライン銀行、Fidor Bankについて取り上げます。

過去2回に比べ、比較的古風なUX

目次

  1. Fidor Bankについて
  2. どうやってやっているのか
  3. つかい方
  4. こんなことができる
  5. カスタマーからの評価

Fidor Bankについて

冒頭にも書きましたが、2009年にドイツで誕生したオンライン銀行です。
 Banking with Friendsというスローガンを提唱しており、コミュニティと銀行業を掛け算した世界でも非常に珍しい特色を持っています。

In line with the motto “Banking with Friends”, Fidor Bank brings the values of openness, transparency, and authenticity to financial services. Fidor Bank interacts with customers directly across social media, including Twitter, Facebook, LinkedIn, YouTube, and SlideShare.

Even before receiving their banking license, Fidor Bank’s team of founders had begun to form a community. It was just a logical step to really involve the community members in building the bank of their dreams.

昨今日本でも『北欧暮らしの百貨店』などでソーシャルメディアを通じた顧客開発が話題になっています。が、草創期あるいはそれ以前からそうした発想を基にビジネスを推進してきたということなので、10年弱そういう思想で取り組んできた、ということになります。金融関係なく圧倒的に先を行った顧客開発を志向していた、と見受けられます。

ただ、自社コミュニティが300,000人規模、FBファン数が約27,000人、Twitterフォロワー数が約7,000人という状況なので、爆発的に多いという感じでもなさそうです。

UK版のコミュニティ。リアクションは正直多くない

コミュニティサイトも、その規模感の割にはあまり盛り上がってないな・・という印象を受けました。

どうやってやっているのか

以前に紹介したMovenやsimpleと異なり、Fidor Bankは銀行免許をドイツで取得した、純然たる『銀行』です。なのでシステムも自前で構築しています。

おそらくそのシステムを基盤にしたビジネスモデル構築を考えているのか、APIビジネスなどを推進する子会社も立ち上げています。

この辺は思想の違いが見えて面白いですね。
あくまでカスタマー体験をコアバリューとしB2Cのマーケットで勝負するのか、プラットフォームを基盤にB2Bのマーケットにも根を張るのか

個人的には体験で永遠に差別化し続けるのは(特に広がりの限られる金融業界では)かなり難易度が高い気がしますが、どんなもんなんでしょうか。

つかい方

さほど他のオンライン銀行と変わらず、まず簡易な情報でサインアップ→本人認証 という流れのようです。Fidor Bankの場合ビデオ認証を入れることによりスピーディーに口座開設が可能、と書かれています。

個人的にはサインアップのフォームがPCとSPで全く同じビュー、しかもPC向けを双方で表示しているのには違和感を覚えました、、

こんなことができる

デビットカードが発行され、アプリで家計管理・・などは他2行と機能の差はありません。
その上で日常のBankingだけでなく、運用などにも特色を見せているのが特徴です。

・いいね数に応じて利率が変動

いいね数と利率のテーブル(UK版)

コミュニティに力を入れる銀行らしく、いいね数が増えると利率が上がるという非常にシンプルでわかりやすいw施策を打っています。
素朴な疑問としてFacebookのLikeAd(いいね数を増やすためのFacebook内広告)を打つとマッチポンプ的に利率も上がっていきますが、当然そういう施策はやってない、と捉えて良いものなんでしょうか。
もし広告を一切打たずにコミュニティ形成をじっくりやっているとすると、それはそれで(スピード感はさておき)一貫性があって好印象です。

・債券を扱っている

この手の新しいジャンルのネット銀行には珍しく、Savings Bondsという名称で定期預金も扱っています。

年限と利率のテーブル

自社でシステムを持っているからこその打ち手といえます。

カスタマーからの評価

UK版ではAppleのみの取扱らしく、レーティングの詳細などは不明です。

ドイツ版ではほぼ4点ジャストくらいの評価でした(ドイツ語が読めず、どれがバンキングアプリか若干謎、、、)

Fidor Bankのまとめ

・自社システム×ユーザーコミュニティ で独自路線を行くオンライン銀行
・いいねに応じた利率変動や定期預金など、自社の強みを活かしたユニークなプロダクトが特徴的
・カスタマー評価は不明だが、一定の評価は得ていると推察

ユーザーコミュニティとサービスを連動させていく試みは非常に興味深いと思いました。
日本の金融機関のSNSだと、コンプライアンスを気にしてかどうしても他の広告メディアを変わらない一方的な情報発信が主になってしまっています。他方本来のSNSの活用の特色のひとつには「カスタマーと運営者が双方向にコミュニケーションを取ることができる」点もあったかと思います。メーカーの公式Twitterなどで、投稿にメンションがいくつもついてブランディングになったりする事例がありますよね。
いいね数と利率の連動はやや極端ですが、そのくらいの交わり合いがあって初めて本当の意味でのコミュニティの活用と言えるのかな、と思いました。



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