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ご参考になれば幸いです。

エンジェル投資家 リスクを大胆に取り巨額のリターンを得る人は何を見抜くのか

エンジェル投資家が見ている世界

投資商品で運用していた場合、利回り7%の投資をしても10年かけてやっと資産が2倍になるという程度だが、将来有望なベンチャー企業の株主になることで投資額を何十~万倍にもすることができる。株主になるためには、創業者、(初期の)社員、アドバイザー、エンジェル投資家、ベンチャーキャピタリストのどれかになる必要がある。

ベンチャーの7割が失敗する状況下、確率から言えば、創業者が大きな利益を手にできる可能性は非常に低い。20年働いても3〜4回しか株を売却するチャンスがないし、リターンが1億円程度しかないこともある。事業は1つしか持てないうえ、株を持っても売却するまでに4年かかる。つまり、スタートアップの経済におけるオッズは、長期にわたって投資を続けるエンジェル投資家やベンチャーキャピタリストに有利にできていると著者は言う。
エンジェル投資家はどういう人かというと、実績ゼロでやっとチームを組んだばかりのスタートアップに投資する、『自己陶酔的かつ常習的ギャンブラーだ』。ノーギャンブル・ノーフューチャーの精神でハイリスク・ハイリターンを追い求める。そのため、本書に書かれている内容を理解したところで、お金持ちになれるどころか損しないという保証もない。著者曰く、『金持ちになる方法はたったひとつ、賢明にリスクを選択することだけ』だ。また、国や時代の違いも影響すると思うので、ここでは本書よりやや抽象化されたサマリ部分を引用しつつ、大まかに概要を説明する。

エンジェル投資家とは何ぞ

誰も味方がいない段階で創業者の手助けを始め、プロのベンチャーキャピタリストの手に無事引き渡すのが仕事。第一の仕事は、創業者に大きくものを考えてもらうための盾になることだ。一方で、ベンチャーキャピタリストは、スタートアップからリスクが大半取り除かれてから登場し、会社を思春期から一人前の大人に仕上げるという役割の違いがある。

そのため、エンジェル投資家はプロダクトやビジネスモデルではなく人に投資する。自分の使命を熟知し、苦しい時に逃げ出さない創業者を支援し続ける。創業者やイノベーターは金儲けのための傭兵ではない。むしろ未来を広める伝道師だ。著者は自身を、未来をより良くしたいと考える人道主義者としている。
エンジェル投資家として成功するために必要な条件は下記。
お金:小切手を切れること
時間:創業者が課題を解決するのを手助けできること
人脈:創業者と投資家、顧客を仲立ちできること
専門知識:創業者がミスを犯して時間や金をムダにするのを防げること
人付き合い:リターンが大きいのは独善的な妄想にひたる、わがままで付き合いにくい起業家が多い。アイデアを長時間語る起業家に付き合える人でないと向いていない。

一般的なエンジェル投資の手法と実態

・金額:2万5千〜5万ドル程度
・期間:3年以内
・著者は1週間に20社程度スタートアップを見る。投資をするのは年間30チーム、つまり2週間に1件くらいで、100社に1社程度の割合。結構ハードワーク。
・拠点は立地が大事。主要プレイヤーが集まる場所にいるとネットワーク効果が効く。人脈や投資先を開拓しやすい。
・シリーズAになるとCEOは時間の20%を取締役対策に当てることになる。この段階になるとVCが参加し、エンジェル投資家は頻繁には参加しない。VCは10~20%参加することが多い。
・エンジェル投資家が要求したのにプロラタを与えないのは無礼極まる。
・シリーズAラウンドが成功すればエンジェル投資家としてはもうその会社に投資することはない。シリーズB以降のラウンドを繰り返すようであれば、持ち分の一部を売る事を考えても良い。
・また、比較的新しい仕組みとして、シンジケート投資という、複数の投資家でまとまった投資を行うプラットフォームを通じた投資に参加することもできる。この場合株主は1つのSPVとしてCap Tableに記載されるため、企業は多額の資金を少ない負担で調達することができる。投資家的には、有力なリーダー投資家率いるおいしい話に少額で相乗りできるというメリットがある。
・初心者の投資判断の基準にすべきこと:
 シンジケートのリーダーはエンジェル投資歴が5年以上あり、ポートフォリオには少なくとも1社のユニコーンが含まれていること
 著名な投資家が出資している、創業者が最低2人いる
 プロダクトを既に市場に出している
 6ヶ月連続してユーザーまたは売上が伸びている
 予定される投資実行の後で1年半の運営資金が残されている
・金持ちになりたければ売り急げ、という昔からの投資のことわざがある。
・エンジェル投資に使うべき資産の割合
大きなリスクを取るのが好きで、失敗しても10年間不自由に耐えられる
 →資産の10~20%
リスクを取る必要性は理解しているが、特に好んでいない
 →資産の5%

投資の元手がない人へ、アドバイザーという選択肢

また、本書では、時間も金もないが大量の知識や経験、人脈がある人にとっては、アドバイザーになることがエンジェル投資家入門として非常に良い方法としている。株式を得られるうえ、取締役になるのに絶好の機会でもある。スタートアップの立ち上げを2、3年手伝った場合、10~50bpsの株をアドバイザー料として得るのが業界の慣行だそうだ。

但し、アドバイザーとして株式をもらうためには(当たり前ではあるが)会社から信頼される必要があり、本書のように隔月に1度のミーティングでという話だとダイレクトに事業を拡大させることができるレベル感で人脈・知識面で貢献できる人でないと難しいように感じる。アドバイザーとして迎え入れてもらえる程度の成果、コミットメントはシビアに見定められるだろう。なお、本書の著者は投資資金がなかった時期、人脈とマーケティング、PRの能力を活かし、概ね2年の任期で6社のアドバイザーを務めたそうだ。



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